ソムリエのメッセ-ジ コラム3
2000年12月20日 18:35:2


米業界はきびしさが益すばかりである。豊作の影響もあって、縁故米・農家直売が増えてしまうのはしかたがないが、新規米卸参入大資本系の企業や新規参入米卸、既存の米卸・の特売合戦の激しさは今年の年末の特色である米が動かない状況に拍車をかけている。自由競争社会では当たり前の販売競争だが、価格競争だけになってはいないか。米の品種、食味などを無視して価格だけが一人で歩いていないか。この競争に敗れ米業界から去っていった多くの仲間達を世間では法律に守られた米屋さんには自由競争心がなかったと批判されもした。米専門店では米価格が高い、量販店では安いという批判もされた。なぜこう言う現象がおきるのだろうか。単なる利益率の問題だけでは済まされない理由があるはずである。一般消費者は現在の米流通の仕組みを把握しているのだろうか。国内の産地別、品種別の玄米の流通価格は、年毎の豊作、不作によって変動はしているが、米卸業者や力のある小売業者に入る値段にはほぼ大差はない。それが適正価格で販売されたならなんの矛盾も生じないはずである。それには毎年輸入されている主食用外米の量や平成7年産から残っている備蓄古米の量、さらにそれがどこでどのように消費されているか等を含めた米表示の問題が残っている。それらを含めた米知識を十分に消費者に認識させ理解してもらい、今後の米流通のあり方を考えなければならないと思う。日本農業を守り、安全な美味しい米を販売するプロとして資格を取ったはずの米・食味鑑定士だから、こういうモラルを守って、消費者に信頼を受けていかなければならない。だが現在、認定者の数は増えて、モラルを守れない米卸の社員が堂々と鑑定済みのシ-ルを貼れるのかは疑問だ。ただ組織拡大路線の為に認定をしてしまうのが鑑定士協会の姿勢ならいつかは鑑定士の資格とはなんの意味もなくなってしまうのではないだろうか。量よりも質を求められているはずである。
    
米・食味鑑定士  木下朗
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